病院に着いた舞人たちは拓哉の指示の元、それぞれの場所に散っていく
舞人の診察を終えた後、拓哉はある異変に気づいていた

(これは・・・・なるほど、災い転じて福となす、か)


拓哉は密かに微笑を浮かべる
もう、大丈夫だと・・・・・・・・






記憶喪失編外伝続編 償いと誓い 最終話






時間はすでに明け方
診察を終え、手当てを受けた舞人
幸いにして大怪我にはなっていなかったようだ
治療室から出るとすぐさま希望たちが駆け寄っていく

「舞人君、大丈夫・・・・?」
「ああ、とりあえず2,3日入院しろってさ」
「なるほどね・・・・」

そう言って安堵の息を漏らす希望たち
一旦舞人の病室へと移動し、仮眠を取ってからこれからの事を話すことになった
疲れもあったせいか全員5分もしないうちに安らかな寝息を立てていた・・・・・・

一方その頃・・・・・・・

「あれ?拓哉、誰に電話かけるの?」
「ふふふ・・・・ご想像にお任せする」
「え・・・・・ってもしかして・・・・・」
「あ、もしもし。・・・・くんかい?朝早くにすまないね」
『ふぇ?霧島先生じゃないですか。何か御用ですか?』
「いや、実は舞人の奴がね・・・・・」
『舞人さんになにかあったんですか!?』
「ああ、軽い怪我なんだが2,3日此処に入院することになってね」
『そ、そんな・・・・・すぐに行きますっ!!』
「待て待て。舞人は今仮眠を取ってるんだ」
『え?あ、そ、そうですか・・・・』
「まぁ舞人は逃げないって言うか逃げれないからゆっくり来るといい」
『・・・・はい。判りました。では、失礼します』

ニヤリとほくそえみながら受話器を置く拓哉
芹は呆れかえって苦笑していた

「拓哉ぁ・・・・いくらなんでもやりすぎだよぉ」
「ま、ちょっとした悪戯って奴だ」

そう言って笑う拓哉と舞人に同情して乾いた笑みを漏らす芹
この後、舞人の病室ではちょっとした波乱が巻き起こることになる(拓哉のせいで)
不憫な彼に合唱・・・・・






―数時間後、舞人の病室―

「ん・・・・・・・」
「あ、おはよう舞人君」
「おはようございます♪」

舞人が目を覚ますと、希望と小町が彼の顔を覗き込んでいた

「他の皆は?」
「もうじき起きるよ」
「そうか・・・・・」

そう言いつつ微笑む舞人
しばらくして全員が起床し、舞人の傍へ移動する
そして・・・・・・

「皆すまなかったな。やっと思い出せたよ」

その一言に一瞬固まるが、すぐさま再起動し喜ぶ希望たち

「よかったぁ・・・・・舞人君・・・」
「もう、絶対に離れないんだから・・・・・」
「ああ、ずっと一緒だ・・・・皆一緒にな」
「「「「「「「はいっ!!」」」」」」」

涙混じりに笑顔を見せる希望たち
舞人も満足そうに微笑んでいる
するとその時・・・・・・

「大丈夫ですか舞人さんっ!!」

病室に一人の美女が駆け込んできた
茶色で腰まで伸びた髪に、何故かネコミミを付けている
しかし似合ってないかといえばこれがまた素晴らしいほどに似合っていた
しかも希望はこの女性のことをよく覚えていた
なにせ、先日舞人と腕を組んで歩いていたのはこの女性だったのだから

「あれ?なすのさん。お見舞いに来てくれたんすか?」

キョトンとしながら質問する舞人
希望たちは嫌な予感をこれでもかと言うくらいに感じていた
そしてなすのは・・・・

「よかったぁ・・・・心配してたんですからぁ・・・・・」

涙を流しながら舞人に抱きついた
これには流石に全員が驚いていた

「え!?ちょ、な、なすのさん!?」
「ま、ままままま舞人君!?いいいい一体どういう事!?」
「いや、俺にもさっぱりだ・・・・」

心底判らないという表情の舞人
希望たちはそれを見て深いため息をつく
しばらくしてなすのも落ち着き、恒例の説明会と相成った

「えっと・・・・私は以前舞人さんの担当の看護士だった谷川 なすのと言います」
「谷川って・・・ま、まさかっ!?」
「そうだよ・・・あのドクターイエローの妹さんだ」
「ま、まぁそれはそれとして・・・・なすのさん?」
「はい、なんでしょうか?」
「舞人のこと・・・・・好きなんですよね?」
「・・・・・はい。舞人さんの傍に居て支え合いたい。それが私の本心です」
「なすのさん・・・・・」

真剣ななすのの表情に何を言えばいいのか判らない舞人
しかし希望たちはその表情を見て笑顔を見せた

「まぁそこまで言えるのなら安心だね」
「だね。では、多数決をとります。なすのさんが家に嫁入りしてもいいと思う人っ!!」
「お、おいちょっとま・・・・「「「「「「はーいっ!!」」」」」」・・・うぐぅ」
「皆さん・・・・・ありがとうございますっ!!」

感極まってポロポロと涙を流しつつ頭を下げるなすの
希望たちは笑顔でなすのを歓迎していた
そして舞人は・・・・

「・・・・ま、いっか・・・・・なすのさん嫌いじゃないし・・・・にしても俺の人生って(泣」

一人ベットの中で黄昏るのであった(笑
その後、拓哉が来て事情を説明し、舞人が暴れたのち拗ねたのは別のお話・・・・・・





END




後書き

償いと誓い編完成!!
舞人「罪と罰の逆バージョンだったな」
前々から書きたかった作品なんだよ。舞人だけじゃ不公平だからな
なすの「そして私も登場ですっ!!」
なすのさんは桜舞うでも出てきますからお見逃しなく♪
華蓮「私と秀晃君もね♪」
翠「私と秀一さんは出ないんですか?」
現在考え中でございます。では締めましょうか。せーの・・・・

「「「「「ご感想、ご意見はBBSかsyuu1kun@navy.livedoor.comへお願いします では!!」」」」」」






おまけ




「おう、クソジャリ。なすのを嫁にするんだってなぁ」
「んがっ!?お、お久しぶりっす谷川先生・・・・・」
「兄さん、私・・・・・」
「・・・ま、好きにしろや。クソジャリ、なすのを泣かすんじゃねぇぞ」
「・・・・うっす!!」
「へっ、威勢だきゃぁ一人前だなぁ・・・・さて、と・・・・」
「ちょ、ちょっとお義兄さん?な、なにをす・・・・・い、嫌ぁぁぁっ!!」
「へっへっへ・・・・・遠慮すんなよ・・・・俺とお前の仲じゃねぇか・・・・」
「誰か助けてぇーっ!!ヘルプミーッ!!」
「あ、あわわわ・・・・ど、どうしましょう?」
「「「「「「・・・・・・・・・・・(汗」」」」」」