俺はその後無事退院し、しばらく通院の日々を送っていた
拓哉先生曰く「経過は順調でもう少しすればまた走れるぞ」だそうだ
スープラは俺が寝ている間に山彦が直してくれた
妻たちはというと色々と話し合ったらしく前より支えあうという感じが強くなっていた
記憶喪失編完結 罪と罰、そして・・・・ 番外編
「ふぁ〜あ、よく寝た。おっと今日は通院の日か」
俺はそう呟きながら着替えを済ませ、下に降りていく
みんなと一緒に朝食を取り、病院へ向かう
ちなみに俺の送り迎えは希望が担当になった(他の子は仕事があるからな)
なんでも希望はあの後声優活動をしばらく休むと伝えたらしい
仕事は大丈夫なのかと尋ねたら
「大丈夫♪社長のお墨付きもらってるから」
という返事が返ってきた
社長のお墨付き・・・・そこまで希望は会社に貢献してるんだなあと思ってしまった
俺もそろそろどこかのチームに入らなきゃな。正直、今の稼ぎじゃ・・・・
「舞人君、着いたよ・・・・ほら、拓哉先生が待ってるから急いで行かないと」
「ん?ああ、わかった。希望はどうするんだ?」
「今日は私も行くよ。芹さんにお礼が言いたいし」
そう言って車を駐車し降りてくる希望
お礼って・・・・・?入院したときの事か?まあ後で分かるんだからいっか
さあて、そろそろ完治してもおかしくない頃だが・・・・
そう思いつつ拓哉先生の診断を受ける すると
「おめでとう青年、今日で治療は終了だ。無事完治したよ」
「よかったねー。これからはあまり奥さんたちに心配かけちゃ駄目だぞ」
と、待ちに待った返事が返ってきた
「お世話になりました、拓哉先生。あと芹さん、こいつがお礼を言いたいそうです。」
「え?お礼って?」
「はい。芹さんに勧めてもらった護身の先生のことで」
「ああ、瞳ちゃんのことかー。その分だと役に立ったみたいだね♪」
「希望、護身の先生って?」
「あ、舞人君にはまだ言ってなかったね。実は・・・・・」
希望によると、記憶を失ったときに芹さんから護身の術を身に着けといたほうがいいと言われたそうだ
今の状態で暴漢の襲われでもしたら危険すぎるからだとか
ま、そうだろうな。みんな容姿は抜群だし・・・・
ちなみに護身の先生はあの『秒殺の女王』千堂 瞳さんだ (ちなみに年は俺の2つ上)
「それで、あの人達と話をつけに行ったときにその技が役に立ったんです」
「!?おいちょっと待て!それじゃ一歩間違えれば大事になっていた可能性があったって事じゃないか!!」
「うん・・・あの時はもう駄目かと思ったよ」
そして希望はゆっくりと語りだした・・・
〜回想シーン〜
「と、言うわけでもう会えません。本当にごめんなさい。」
男たちに事情を説明して謝罪する希望たち
だが、男たちはそれに逆上して希望たちに襲い掛かる
「ふざけんなよ。お前らみたいないい女みすみす逃がすかよ」
「俺たちなしじゃいられない位可愛がってやるよ。おら、こっち来い!!」
醜い欲望を丸出しにして襲い掛かる男たち
ところが希望たちは冷静に攻撃を受け流し、男を投げ飛ばして腕を折る
「ぎゃああああああ!!俺の腕がああああああ!!」
「や、こっちは謝ったからね。正当防衛だよ」
「いい気になってんじゃねーぞ、このクソアマが!!テメエは気が狂うまで可愛がってやるぜ!!」
そう言いつつナイフやメリケンサックなどを取り出す男たち
流石に希望たちもこれには勝てないと思ったのか徐々に追い詰められていく
だが、次の瞬間 ひかりと瞳、そして黒尽くめの青年が現れたかと思うとあっという間に男たち全員を倒してしまった
「あんた達、怪我はない?」
「ひかり!?それに瞳さんも!!・・・そちらの方は?」
「瞳さんの知り合いで高町 恭也といいます」
「恭也君に頼んで後を付けさせておいて大正解ね。もうこんな無茶しちゃ駄目よ」
「「「「「師範、恭也さん。ありがとうございました!!」」」」」
「ん。よろしい。恭也君、後頼むわね」
「ええ、分かってます。さて・・・・・お前ら五体満足で帰れると思うなよ」
恭也が放つ殺気に震え上がる男たち
希望たちはその場を恭也に任せ舞人の元へ向かう
その後、男たちはどうなったのかは恭也だけが知るところとなる・・・・・
〜回想終わり、再び黒伸病院〜
「という事があったの・・・ってあれ?舞人君どうしたの?考え込んじゃって」
「いやな、俺も何か護身術覚えなきゃ駄目かと思ってな」
「そうだな、舞人はいるなそういうの」
「奥さんが美人だらけだからねぇ・・・・舞人君も大変だね」
しばらく4人で雑談を交わした後、病院を後にした
途中、瞳さんの所へお礼を言いに行ったら恭也君もいて、二人にお礼を言っておいた
二人に「頑張って」と言われたのが嬉しかった
帰るときに恭也君から護身術のやり方を書いたノートを貰ったので今日から早速練習することにした
俺も強くならなくちゃ・・・・そう思った今日この頃だった
そして数週間後、なんと社長自ら桜井邸に来て、俺共々希望を芸能界に復帰させようとしてきた
なんでも、初めて会ったときから俺の事が気に入っていたらしい
「舞人君、やるなら私が手取り足取り教えるからね♪」
「はっはっは。君の事は前々から興味があったんだよ。どうだ、やってみないかね?
それともう一つ、うちはGTのチームも運営してるんだよ 名前はチームBasiLだ」
その一言が決め手となり俺は希望と同じ場所で働くようになった
GTのドライバーをしつつ声優活動をこなすという某俳優ばりの忙しさとなった
「舞人」が融合の直前に言ってたんだが融合したせいで筋力・容姿・五感の全てがレベルアップしてるそうだ
妻たち曰く、「前よりカッコよくなってる。惚れ直した」らしい・・・・
ま、俺は彼女たちと笑ってすごせればそれで満足なんだがな・・・・・
「舞人くーん♪」
「「舞人ー♪」」
「「「「舞人さーん♪」」」」
「ああ、今行くよ!!」
ふふっ、やっぱり俺達はこうでないとな
俺たちに辛気臭いのは似合わない
ー頑張れよ、俺の自慢の息子ー
「・・・・・?今、親父の声が・・・・」
「舞人くーん、早くー!!」
「あ、ああ!!」
そう言って慌てて走り出す俺
その先にははじけんばかりの笑顔を見せる妻たちがいた
俺はこの笑顔を守り続ける限り、たとえつぶされても何度でも立ち上がるんだろう
俺、いや俺達には未来を切り開いていく力があるのだから・・・・・・
END
後書き
番外編いか・・・・ってなんだよそのじと目は
華蓮「閉幕って言ったのに」
翠「嘘つきは泥棒の始まりですよ」
だって書きたかったんだもん・・・・ええい、さっさと締めるぞ!!
「「「ご意見、ご感想は掲示板かsyuu1kun@navy.livedoor.comへお願いします。では!!」」」