久保勝の教師奮闘記 ‐in 『SHUFFLE!』
written by 龍馬&隼人
第1話
さて、場所を移して、ここは芙蓉家・・・。
芙蓉家では今、勝がやってくると聞いて、稟と楓が夕食の準備をしていた。
勝と楓は親戚関係にあり、その幼馴染の稟も勝とは顔見知りである。
その勝が、何年振りかに芙蓉家に訪れると聞いたので歓迎会のような準備となっている。
二人が慌しく準備している様子を見て、プリムラが首をかしげていた。
いつもは楓に任せっきりの稟までが、準備を手伝っているからである。
疑問に思ったプリムラは尋ねてみる事にした。
「お兄ちゃん、楓お姉ちゃん。今日は何か特別な日なの?」
プリムラの言葉に気がついたのか、二人が動きを止め、プリムラに答える。
「ああ。今日は勝兄が来るんだよ。」
稟が簡潔に答える。
しかし、プリムラには「勝兄」と聞いても、誰だか分からない。
そこで楓が付け足して言う。
「プリムラちゃんは知らないんですよね?勝兄さんというのは私の親戚のお兄さんで、今日からしばらくこの家に滞在することになっているんですよ」
そう微笑みながら答える。しかし、楓や稟も勝が来ることは昨日知ったばかりだったのだ。
だから、少し稟が溜息をつきながら、愚痴をこぼす。
「まったく、もっと早くから連絡くれたらいいのにな。なんで昨日になって連絡するかな?」
その稟の愚痴に苦笑しながら、楓はただ手を急がせていた。
プリムラは、まだよく分かってないみたいだが、それでも「稟と楓のお兄ちゃんみたいな人が来る」ということで納得したのか、自分も準備を手伝うことにした。
しばらくして、料理が完成し、夕食の準備が済み、あとは勝の到着を待つだけとなった。
時間は夜の8時を過ぎた頃を示していた。
すると、玄関から呼び鈴が鳴った。それに気づいた3人は勝だと思い、玄関に応対に出る。
「おっす!久し振りだな!稟に楓ちゃん。元気にしてたか?」
と予想通りの人間・・・勝が玄関に立っていた。
稟と楓は最初驚いたが、しかし、次には笑みをつくって返事を返す。
「久し振り、勝兄。」
「久し振りです、勝兄さん。」
「はじめまして・・・。プリムラです・・・」
何気にプリムラまでが混じって挨拶を交わしている。そこでプリムラに気づいた勝は、少し驚いてプリムラをみる。そして、稟と楓に向き直り、次に出た言葉は・・・
「稟、楓ちゃん・・・等々ヤっちまたのか・・・!?兄ちゃんは少し嬉しいが、複雑だぞっ!」
「はあっ!!?」
「えっ!?そんな・・・/////(真っ赤)」
いきなり出た、勝のトンデモナイ発言に、稟は驚き、楓は何故か顔を真っ赤にしている。
プリムラは、まだよく分かっていない。
「そ、そんな訳ないだろ!何勘違いしてんだよっ!勝兄!プリムラは妹みたいなもので、楓とは何もないよっ!」
「そ、そうです。稟君とはまだ何も・・・・・」
稟は急いで否定し、楓はどこか的外れなことを言っている。プリムラはまだ分かっていない。
しかしその稟たちの様子を見た勝は、突然笑い出した。
「ワッハッハッ!冗談だ。流せ流せ!」
「・・・勝兄・・・」
勝の言葉で、我に返った稟が恨めしい目で、勝を睨み付ける。
それに気づかないのか、勝はまだ首を傾げているプリムラに向き直り、改めて自己紹介をする。
「初めまして、プリムラちゃん・・・だよな?俺の名は久保勝。稟と楓ちゃんの兄貴分みたいなもんだから、これからよろしくなっ!」
そう言って、プリムラの前にそのごっつい手を差し出す。
プリムラは、最初その手が何を意味するのかわからなかったが、握手を求めているのだと気づき、
その手を握って、微笑んだ。
「はいっ!よろしくね!勝お兄ちゃん」
その答えに満足したのか、勝も笑みを返し、稟たち3人に迎えられ、家の中へと入っていく。
しかし、その胸中は、先程のプリムラの笑みにやられていた・・・。
(な、なんてかわいいんだっ!?俺のことを「勝お兄ちゃん♪」だとっ!こんなに萌えたのは、晶子に「お兄ちゃん♪」と初めて言われて以来だ!はっ!?いかん!これでは俺様がロリ萌えになってしまう!?)
いや、もうどうでもいいことを考えているので、先程のカッコイイお兄ちゃんは何処にも存在していない。というか、とんでもなくアホなお兄ちゃんにしか見えていない・・・。
そんなことを気にしていない、いや、気づいていない稟達との新しい生活が、今この夕食会から始まろうとしていた・・・。
(続く・・・)
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<後書き>
−龍馬−
第1話です。
この小説の設定では、勝は楓の親戚となっていますんで・・・。
また、プリムラですが、ENDを迎えていませんが、この小説では、稟のことを「お兄ちゃん」とよんでいます。そのあたりは考慮してお読みください。
さらに、前回のあらすじは書かないので、しっかり本編を読んでくれないと話の内容がわからないのであしからず。冷たいかもしれませんが、飛ばし読みなどをされては、小説を書いた俺自身の苦労が台無しですので・・・。駄文作者でも、読者の方々には、そのあたりはちゃんとしてほしいので・・・。
さて、次回ですが、まだ勝の教師生活はスタートしません。しばらくは、『SHUFFLE!』のキャラ達と勝の日常生活を書くつもりですので。次回は、シアとネリネ、そして親ばか×2王が登場します。
それでは皆さん。次回作でお会いしましょう!
感想等がありましたら、こちらに送ってください!
darkness_merely_hide_the_light@docomo.ne.jp
なお、嫌がらせや、中傷的なメールがあり次第すぐにアドレスを変更しますので。
−隼人−
いや〜。無事に第1話書き終えました。でもそのことの喜びより、この間の出来事で、
生きていることの喜びと、改めて龍馬の恐ろしさを身にしみました・・・。
あ〜生きているってすばらしい!この間は、マジ走馬灯が見えましたから・・・あはは(汗)
そんなことより、この小説のプリムラの設定ですが、僕が考えたんですよ?
だって、プリムラファンとしては、「お兄ちゃん」と呼ばれた方がグッときません?
僕だけか?妹萌え・・・・・。
まあ、しかし、これからもこの長編。笑いあり、らぶはなし、シリアスありでいくんだろうと思いますんで、今後宜しくお願いします!
僕も龍馬も、期待に添えれるように頑張りますんで!ではでは、みなさん!お達者で!!!
次回にまたお会いしましょう!