テスト二日目
BasiLピットは困惑していた。
準備を始めて、
一日の打ち合わせ中に来客が大勢来たのだ。
そう、
佐藤 琢雄とその部下たちだ。
あの翌日ですぐ大荷物を持ってきた。
八重樫ですら舞人がぶんどった名刺だと思っていた。
BasiLピットは大忙しで作業に取り掛かっていた。
佐藤琢雄の部下たちとBasiLのメカニックたちが、
エンジンの積み替えを始めた。
許可はすぐに通った。
なぜなら認可申請済みのエンジンで、
同一メーカーだからすぐ承諾がでた。
そしてメカニックたちの手際のよさで、
朝から開始した載せ変えはすぐに終わってしまった。
シェイクダウン開始
驚いたことにいきなりのラップタイムが、
今までと変わらないラップタイム、
そう最初だからタイムは落ちると思われていたが変わらないのである。
アタック用にセッティングを煮詰めはじめる。
リアスポイラーの調節、サスペンション系の調節などなど
しかし、BasiLはこの日一日でセッティングは用意できなかった。
夜、BasiLチームの宿泊ホテル
BasiLが借りた広い部屋で打ち合わせが行われていた。
その場には、
チーム監督の八重樫 つばさ
広報・BasiLガールの星崎 希望
同じく、雪村 小町
チーフメカニックの相楽 山彦
メカニックの牧島 麦兵衛
ドライバーの舞人に秀晃
チームドクターの霧島夫妻
そして技術開発部の佐藤琢雄である。
ホワイトボードの前に八重樫が立った
「今日は、ご苦労様でした。
佐藤さんという強力な助っ人が現れて、
チームの戦闘力は格段と上がりました。
マシンの戦闘力も他のチームに引けを取らなくなっています。
ま、あとはセッティングとドライバー次第だけどね。」
と舞人たちを見る。
そして
「それじゃますは、佐藤さんエンジンの話があるとかで、
そちらからお願いしていいですか?」
と佐藤に話を振る。
佐藤は、おっ、といい立ち上がり
ホワイトボードまで移動した
「ご紹介いただきました、トヨタテクノクラフトの技術開発部の佐藤です。
さて、今回供給させていただいたのは、
本来、スープラに載るはずだったGT用エンジンです。
もともと、再来年とその先を見越したエンジンで、
完成とまで行っていませんが、十分戦えるエンジンです。」
そこで星崎が手を上げた
「はい、質問いいでしょうか?」
と、佐藤に聞いた
「はい、なんでしょう?」
希望は椅子から立ち上がって
「本来載るはずだったというのは?」
全員がうなずき佐藤を見た
「実は、来年から新マシンを導入が決定したんです。
ご存知だと思いますがSC430です、」
SC430とは
レクサスである
搭載エンジンが約4300cc
280馬力の43.8kgmトルクである。
レクサスにはGS450hというハイブリッドモデルも用意されている。
「そのレクサスの導入によりこのエンジンはお蔵入り寸前でした。
なぜなら、根本的にコンセプトを変えたいそうだからです。」
そういうとチームは全員驚きを隠せなかった
なぜなら、来年以降もスープラ参戦の予定だからである。
佐藤は続けて
「スープラ参戦は続けますが、台数を一気に減らすそうです。
そして、レクサスの導入。
おそらく上位チームからレクサス導入、という形でしょう」
ほっとする反面、戦闘力が劣るというつらい部分も見てて来た。
そんな中、八重樫は
「なぜ、そのようなエンジンを?」
と佐藤に聞いた
佐藤は喜ぶように話し出した
「私は、90年代がすきなんです。
日産のGT-R、トヨタのスープラ、ホンダのNSX
特にGT-Rは今だ、世界で戦っています。
GT-Rのエンジンは現在GT500を戦っているマシンの中で古株です。
有名ですよね?RB26DETT」
RB26DETTとは?
日産が1989年にBNR32型スカイラインGT-R発売とともに
世に送り出したエンジン
約2600ccのエンジンにツインターボの直列6気筒エンジン
「そのエンジンですらがんばっているですから
スープラも負けないと思ってこのチームに託そうと思ったんです。」
そういうとチームは一丸となり拍手を送った
そう、共感したのであった。
そしてチームは明日以降のテスト予定などを打ち合わせし
夜深くに解散した。
翌朝
富士テスト二日目
各車昨日のデータを元に
走りこんでいる
現在コースインしているのは
ファルケンニスモ
唯一のスカイラインGT-Rである。
今は、永田秀一がステアを握っている
そして、圧倒的なTOPタイムを記録
ファルケンニスモピットでは
ピット全員が喜んでいた。
その後スピンしたものの
周回をこなしファルケン☆ニスモ☆GT-Rはピットし
更なるセッティングへとガレージへ戻す
そして出てきたドライバーと
広報の翠が仲良く手をつないで
ピット内へ入っていった。
引き換えBasiLピットは朝から大騒ぎである。
この日予定していたテストが予定通り行かなくなりそうなのである。
最初に舞人が走り出して周回をこなし
テスト用タイムを取るためコントロールラインを超え
アタックを始めた
順調と思われたが
ダンロップコーナーでまさかのタイヤバーストし
そのまま13コーナーに突入し外壁に接触してしまった。
そのため、フロント部分破損などのダメージを追ってしまった。
マシンは自力で戻ってきたが
すぐにガレージに入れられた。
ドライバーがドアを開けてでてきたと同時に
希望が抱きかかえる状態に
舞人は無事であったが念のためチームドクターに診てもらうことに
希望は自分から進んで、付き添いをするのであった。
マシンは、その日修復を終えられず、
テスト日程が終了した。
つづく
後記
ひさびさの更新でもうしわけありません〜
やっとテスト終了です。
次回から開幕です
参戦車両の希望があればBBSにお願いします。
ご意見ご感想お待ちしております。
お楽しみに!!