新富士公開テスト
各チームともデータがゼロからのスタート
セッティングを探りながら
走る


それ散るGT
5話

多彩なマシンが走る中
あるピットはあわただしく
人が動いていた
BasiLのピットだった

かんかんに怒るつばさ
サーキット内を走る希望

麦べえ

連載を読んでくれている人ならすぐわかるだろう
そう
まだピットに舞人が来ていないのである

BasiL ピット
緑色の監督
つばさはセカンドドライバーに乗りこんでもらい
マシンセットアップ準備をさせる


観客席
「あのぉ〜」
青い髪の女性が紙を持って
話し掛けてきた

「ん?どうしたんだいお嬢さん」
俺は起き上がり女性に体を向ける

「BasiLの桜井さんですよね?」
と隣に座る
「ああ、あんたは?」
女性はかばんから
名刺を取りだし俺に差し出した
「里見こども?」
「(怒)」


ピット
「ゾンミ、第1のあたりで目撃があったから
見てきて」
私は
「わかった♪」
私は、急いで向かう

「ゾンミ・・・・」

私は観客席で
お説教されてる
桜井君を見つけた

「桜井君!」
私は近づく
そして
「八重ちゃんが怒ってるよ
速くピットに〜」

私は桜井君の手をとってピットへ走る
・・あれ・・・
なぜか・・・懐かしい感じがする・・・

「どうした?」
と桜井君は私の顔を見る
「う、ううん、なんでもないよ」
と私は笑いまた走る


けど、桜井君は八重ちゃんに思いっきり殴られてしまいました
いたそう・・

あ、八重ちゃんが目をそらしたらすぐいなくなった・・・

八重ちゃんがまた麦べえ君たちに走らせてる
でもなんで八重ちゃんは桜井君を直接探しに行かないんだろう・・・・



サーキット内某所
動き回るピットクルーを横目に舞人は
先ほど殴られた頬をなでながら
緑色のスカイラインを見つめていた
FALKEN☆nismoのスカイラインGT-R
昨年は惜しくもタイトルを逃したが
ニュルブルクリンクでタイトルを勝ち取ってきたチームだ
マシンの耐久性は参加チームでナンバーワン

そのマシンが富士スピードウェイを駆け抜ける
タイムは上々のようだ
少なくとも
BasiLより1秒速い

「ん〜、エンジンパワーから違うのかねぇ・・
 いくらあたらしいテクノロジーといっても
 俺らのところにきてるのはそのおこぼれ
 タイムの差が1秒なのは奇跡的かもしれないな
 新型スープラ速いしねぇ・・」
そういいながら俺はコースを眺めていた

「新しいエンジンを希望するのかね?」
後ろからふと声がかかった
立っていたのはスーツを着て
年齢は35から40ぐらい
「ん?まあ、あれば多少楽になるから
 まあ、無理な話ですよ」
と俺はまたコースを眺め
新参戦のフェアレディZを目で追っていた
「あのフェアレディは新参戦だが
エンジンは実に出来上がっている
パワーもいい、これからはみんなV型でコンパクトにしていくだろう
ただあるチームは直列でがんばっている」
俺はその言葉を聞き振り返った
「あのファルケンは相変わらずRB26DETTベースだよ」
と男はニヤッとわらい
俺の隣にきた
「どうだい?うちにお宅のエンジン任せてくれないかな?
 あのファルケンに匹敵するエンジンに仕上げてみせる」
そういうと男は名刺を渡して
階段を上がり姿を消した

名刺には
トヨタテクノクラフト 技術開発部 開発責任者 佐藤 琢雄

俺はその名刺をもったまま固まっていた
のを10分後八重樫により発見され
また殴られた

が、名刺を見て
再び2人で固まることに

「さ、桜井君!こ、こ、こ、この名刺はどこで!?」
星崎は俺に食いかかる
首元をつかみ前後に激しくゆする
「ちょ、ちょ、ちょっとまたんかい!」
俺の制止も聞かずひたすら俺をゆするいや
前後運動をさせる・・

「ぞんみ、ストップ」

やっと八重樫の制止が入り救出される俺
そして
「さっきベンチから見てたら、このおっさんが協力すると言い出したんだ」

「「「へ?」」」
スタッフ全員が目を点にして
俺のほうを見る
「まずはエンジン提供をしてくれるらしいぜ
詳しくは八重樫に任せる、じゃ俺は一眠りしてくる」
俺は奥の休憩室に入り
仮眠に入った


ピット
取り残された私たち
「新しいエンジン・・・」
ヤマがつぶやくように言った
たしかに新しいエンジンが手に入れば勝てる可能性もあがる
しかし、なぜうちのようなところに急にこんなおいしい話が?
なぜわざわざ桜井いや舞人に・・
佐藤・・・琢雄・・・
まさか・・・あのときの?


続く

実在の団体・個人・会社等とは一切関係ないので
あらかじめご承諾ください(笑
というわけでBasiLに新エンジン登場なるか
こうご期待