ひかりが舞人の家に泊まる事になってから数日がたった
舞人も桜花もひかりが泊まる事にそれほど抵抗は覚えていない様だ
だが、実は舞人が一つだけ悩みを抱えていたのである
それは・・・・・・

「ひかり姐さん、また俺の部屋で寝てるよ・・・・・(汗」





桜舞う・あぷろーち 第9話





事の発端は数日前にさかのぼる
それはひかりが舞人の家に泊まる事になった翌朝の事だった
いつもの様に眼が覚めて起きる舞人
そして朝食を取りに行こうとした瞬間 彼の眼は点になり、その後顔は真っ赤になった

「ひ、ひかり姐さん・・・・?」

そう、ひかりが舞人の部屋ですやすやと寝ていたのである!!
しかも寝巻きがYシャツとパンツのみ(いわゆる裸Yシャツ)
これは舞人でなくとも焦るであろう
ちなみにひかりは既に起きていて舞人の慌てっぷりに満足しているようだ

(うぷぷぷぷ・・・・舞人ったら焦ってるわね♪もうちょっとサービスしてあげよっと)

そしてひかりは布団を足で押しのけ、寝返りを打って下着を見せつける
舞人は見ちゃいけないと思いつつも見てしまっている(無論、顔は真っ赤である)
だが、そんな魅惑(笑)の時間も終わりを告げるときが来た

「お兄ちゃーん、そろそろ朝ご飯食べないと遅刻ですよー。」

妹の桜花の声によって、我に返り静かに部屋を出る舞人

「ひかり姐さんは寝かせておくか・・・・っていうか今起こしたら何言い出すか解らんしな」

無情にもひかりを見捨てる選択をした舞人
このままいくとひかりは遅刻確定なのだが・・・・・
ひかりもそれを察知したようで

「おはよ、舞人。何も言わずに行くってのは酷いんじゃない」
「うっ・・・だったらそんな格好で人の部屋に入らないでくださいよ」
「あら、その割には私の事ずっと見てたみたいだけど♪」
「そ、それは・・・そのう・・・・」
「ま、このくらいで勘弁してあげるわ。朝ごはん食べに行きましょ」

そう言いつつ着替えをしに行くひかり
舞人はその後、味のよく解らない朝食を取り(理由は勿論ひかりのせいである)
3人で学校へ向かう
その際に舞人が複数の男子生徒から、嫉妬の視線を喰らい続けたのは言うまでもない・・・・・





―教室―

「おはよう、舞人君♪」
「おっはよー。舞人♪」

教室に入るやいなや、笑顔で出迎える希望とつばさ
早速二人は現在の状況を舞人に問いただす

「それで、結城先輩どうなの?その後は」
「いやな・・・・朝っぱらから奇襲攻撃喰らって参ったの一言だ」
「ま、予想できた事だけどね」

そして授業が始まりいつもの日常がようやく始まる
だが、神も作者もこのまま平凡な日常を送らせるかと言えばそうでもなかったりする

まず、放課の時間は・・・・・

「舞人、今日の夕ご飯の用意私がするんだけど何がいい?」
「え、え〜っと・・・・野菜炒め食いたいっす」
「舞人君野菜炒め好きなの?」
「まあな」
「や、言ってくれれば作りに行くけど?」
「ま、またの機会にな・・・」
「ふむふむ、舞人君は野菜炒めが好きなんだね」
「うお!!さ、里見先輩いつの間に・・・・・」
「さっきからひかりの後ろにいたよ?」
「そ、そうですか・・・・」

昼休みになると・・・・

「舞人君、これ食べてみて♪」
「どれどれ・・・・うむ、美味いぞ星崎。」
「ゾンミは料理上手だからねぇ」
「八重樫は?」
「それほど上手ってわけじゃないよ」
「私は今晩のおかずに期待してて頂戴」
「ういっす」
「いいなぁ・・・ひかり、今度は私も誘ってね」
「はいはい。こだまにはオムライスとハンバーグ用意しておくから」
「わーい♪」
(((お、お子様だ・・・・)))

そして放課後は・・・・・

「「「「舞人(君)、帰ろう♪」」」」
「うお!皆さんお揃いで・・・・・」
「外には小町ちゃんたちもいるよ」
「桜花ちゃんはマックスと帰るってさ」
「・・・・?つばさちゃんマックスって?」
「牧島のことです。その左足から繰り出されるシュートはまさにカミソリの切れ味!!」
「んで、ついたあだ名がカミソリマックスなのよね・・・・」

そして談笑しながら皆で舞人の家に向かう
その途中でスーパーに寄って夕ご飯の買い物をすることになったのだが

Prrrrrr Prrrrrr

「ん?だれか携帯鳴ってるぞ」
「あ、私だ・・・・・お母さんから?もしもし、希望だけど・・・・・」
「私らは買い物してくるわね」
「うい、終わったらすぐに行きますんで」
「うん、わかった・・・・舞人君に代わるね」
「ほ?俺?」
「うん、お母さんが代わってくれって」
「なんだろう・・・?もしもし、舞人ですが」
『あー、舞人君?悪いんだけど今日から希望も泊めてあげてほしいの』
「はい!?何故にでしょうか!?」
『実は私らの会社のプロジェクトが大詰めの段階でね・・・・その間希望が家に一人になっちゃうのよ』
「はぁ・・・・・おばあちゃんはどうしたんですか?」
『母さんは茶飲み友達と旅行に行っちゃったのよ・・・・舞子先輩に相談したら舞人君の家がいいって』
「お、お袋がですか・・・・・」
『責任さえ取ってくれれば希望を好きにしていいから・・・・お願い!!」
「な、なななな・・・・そそそんなことはしませんって!」
「舞人君なら・・・・いいよ・・・・・・」
「ほ、星崎・・・・顔赤らめながら言うのは反則だぞ・・・・」
『うーん、希望も言うようになったわねー。とりあえず舞人君、お願いできるかな?』
「わ、わかりました・・・・・」
『ありがと舞人君♪希望の事よろしくね。なんならそのまま貰っちゃってもいいから。希望、がんばんなさいよ』
「も、貰うって・・・・・」
「うん!!お母さん♪」
『それじゃあよろしくねー♪』

そしてひかりたちの許へ行き、事情を話す二人
いつの間にか麦兵衛と桜花も合流していた
そして皆の反応はというと・・・・・

「ちょ、ちょっとゾンミ!?マジで泊まるの!?」
「希望ちゃんいいなぁ」
「くっ・・・・ライバルが来ちゃったか・・・」
「舞人さんと一つ屋根の下・・・・・はう」
「おにいちゃんと一緒に・・・・・うぅ、いいなぁ」
「せんぱいと一緒に暮らすんですか・・・負けません!!」
「ま、舞人先輩どんどん深みにはまってる気がするんですが・・・・・」
「でもお母さんがいいって言ってるなら私達は逆らえませんし」

驚愕、羨望、妄想、心配と多種多彩だった(笑
舞人はとりあえず、

「これ以上居候が増えないようにせんと際限無しになるな・・・・」

などと呟いていた
だが、彼は気づいていない
今夜さっそくバトルが繰り広げられる事が確定している事を
そしてその内容とはズバリ

「どっちが舞人の部屋に侵入できるか」

というとんでもないバトルである事を・・・・
事実ひかりと希望が既に視線で火花を散らしていた
舞人はそれに気づきもせず遠い空を眺めてこう呟いた



「・・・・・それにしても俺の平穏って何時来るんだろう・・・」




そんな彼の呟きは青く澄み切った空に消えていった
だが当分の間は彼の生活に平穏の二文字は来ないであろう
彼が誰かを選ぶか、全員を娶るかしない限り・・・・・・・・・・





END




後書き

第9話終了!!そして希望が舞人の家に泊まる事決定!!
希望「やったー!!」
つばさ「ゾンミだけずるい」
こだま「私も泊まりたいよぉ」
小町・青葉・かぐら「「「っていうか今回私達の出番少ない!!」」」
ひかり「まぁ、今回の流れじゃねぇ・・・・・」
舞人の教室は年下組とは離れてるからなぁ
華蓮「こればっかりはね」
翠「これからの展開に期待するしかないですねぇ」
舞人「っていうかもうちょっと俺のプライバシーというものを・・・」
却下。じゃあ締めるぞー・・・せーの
舞人「ヲイ!!」

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