それはとある休日の事
いつものように舞人と桜花が朝食を取っていると玄関のインターホンが鳴った
桜花が応対に出るが舞人は嫌な予感を感じていた
そしてそれはいつものごとく、バッチリと当たるのであった





桜舞う・あぷろーち 第5話





応対に出た桜花が慌てて小走りで戻ってきた

「お兄ちゃん、小町さんとつばささんと希望さんのご両親が来られました」
「んあ!?おじさんたちが!?い、嫌な予感大的中だな・・・・・」

そして入ってくる両親たち

「「「舞人君、娘はやらんぞ!!」」」
「「「こんにちわ、舞人君。娘がいつもお世話になってます」」」

初っ端から判りやすい挨拶をする両親軍団
舞人は額に汗を垂らしながら「これはどうも・・・・」と言うのが精一杯のようだ

「舞人君、久しぶりだな。小町から全て聞いたよ。だが小町はやらんからな」
「右に同じくだ。うちの可愛いつばさはまだ嫁には早すぎる!」
「以下同文だ、舞人君。希望を君に渡すわけにはいかん!!」

どうやら父親たちは徹底抗戦の構えのようだ 一方母親たちはというと・・・・

「うーん、この顔立ち・・・・・うん、合格!!」
「性格もばっちりだしねぇ・・・小町を立ち直らせたのは伊達じゃないね」
「こりゃいい男見つけたわ。つばさもやるねぇ・・・・あ、私は離婚してるけどつばさの母親だよ。以後よろしく」

舞人の品定めを終え、合格の印をつけていた
それを見た桜花が即座に売り込みを開始する

「どうです?うちのお兄ちゃんは。ちなみに今はフリーですよ」
「うそ!?こんないい顔なのに!?」
「舞人君はシャイだったからねぇ・・・・」
「なるほどね・・・・」

どうやら女性陣は舞人を完全に婿候補筆頭に挙げたようだ
男性陣がすぐに異を唱えるが女性陣に一睨みされると黙り込んでしまった
そして母親による娘の売込みが始まった

「どう?舞人君。うちに来ない?希望なら家事炊事OKなんだから♪夜の相手もおまかせよ♪」
「あーらそれを言うならうちの小町だって家事炊事なんでもこいよ。それに小町はいい体してるわよー♪」
「ふふん、うちのつばさだって負けちゃいないわよ。あの子はやれば出来る子だからね。意外と尽くすタイプだし♪」

それを聞いた舞人は桃色の世界を一瞬考えたが、すぐに頭から振り払う(顔は真っ赤だが)
だがそれを見た父親たちが娘を守るべく舞人に襲い掛かろうとしていた

「「「桜井 舞人許すまじ!!娘を守るべく、推して参る!!!」」」

般若の形相で舞人に飛び掛る父親軍団
舞人はすぐさまその場を離れ外に飛び出す
そして取り残された女性陣は・・・・・

「お兄ちゃんは押して押して押しまくらないと駄目です。いっその事温泉なんてどうでしょう?勿論混浴で」
「あらあら、混浴ならうちのグループに一個あるわよ。」
「なら、そこに舞人君たち招待してぇ・・・・・・」
「夜は一個の部屋で・・・・・」

「「「「きゃあ〜♪舞人君(お兄ちゃん)のケダモノ〜♪」」」」

今後の予定を立てていたとさ・・・・・・・
だが次の瞬間一人の女性が姿を現した

「よう、何だか面白そうな事話してるな」
「「「「あ、貴女は!?」」」」




―そのころの舞人―

おかしい、何故だ・・・・?何故この前の黒服まで混ざってるんだ!?
一体何処から情報が入ったんだ!?

「追えー!!桜井を逃がすなー!!」
「捕まえた奴には親父さんから褒美が出るぞー!!」
「マジか!?くそっ、親父さんたちも容赦ないな・・・・」

そうこうしてるうちに俺の体力が底を付き始めていた
駄目だ、このままじゃ捕まる・・・・・

「「舞人(君)、こっち!!」」

声の聞こえたほうを見ると、希望とつばさが手招きしていた
前回の例があるが(第1話参照)、手段を選んでいられないのも事実・・・ええい!!

「二人とも、頼む!!」
「「了解♪」」

そして出陣していく二人の戦乙女
俺はその隙に家に戻る事にした
今日は桜花と銭湯に行く日だからな・・・・・
というわけでこそこそしつつダッシュ!!(意味不明)

「舞人君、お父さんたちいった・・・・ってああー!!」
「こ、こらー!!舞人ー!!逃げるなー!!」
「すまん、今日は桜花と銭湯に行くんだー!!」
「「だったら私もー!!」」

うお!?嬉しそうに追っかけてくる!!
だが二人を連れて行くわけにはいかない。絶対そのままお泊りになるからな・・・・・
その後1時間ぐらいで二人を撒いて、自宅に戻ってきた すると・・・・・

「おう、帰ってきたか愚息。んじゃ銭湯行くか」
「はい。行きましょう♪はいこれお兄ちゃんの荷物」
「お、サンキュ・・・・ってお袋!?いつここに!?」
「さっきだ。こっちに転勤になったんでな、近くの寮に入った。いつ帰るかは分からんがな・・・・」

最強(最凶とも言う)の主婦、桜井 舞子殿がお見えであった(滝汗
ま、まさかお袋がここに来るなんて・・・・・

「愚息、早く来い。さもないと業務用中華鍋で殴る」
「!!は、はい!!」

思わず敬語になる俺。だ、だって怖いんだもの・・・・・
あの中華鍋のコンボは必殺の威力があるからなぁ・・・・・
そういやおばさんたちはどうしたんだろう

「お袋、おばさんたちは?」
「一度家に帰るって言ってたぞ。夕飯の用意があるからって言ってたな」
「でも驚きました。まさかあの方たちがお母さんの後輩だったなんて」
「んな!?お、おい本当か!?」
「ああ。全員一つ下だがな。高校のときに可愛がってたんだよ」
「ってことはアンタ全部知ってて・・・・」
「その通り(ニヤリ)。がんばれ若者。」
「ふざけんなああああああ!!」

頭を抱えて絶叫する俺
その様子をたまたま見ていた近所のお婆さん、福井 トメさん(70)は後にこう語る

「舞人君のあの叫びっぷりは見ていて飽きないねぇ」と・・・・・





「おし、銭湯(結城温泉)到着」
「・・・・誰に言ってるんだ愚息」
「気にするな。お約束ってやつだ」
「お兄ちゃん、早く行きましょう」
「おお、悪い悪い」

そして銭湯に入っていく俺達
番台には俺たちの先輩 結城 ひかり嬢が座っている

「ちーっす、ひかり姐さん。今日はお袋も来てます。」
「あんた姐さんはやめてって何度いやあ・・・・っておばさんが?」
「ここにいるぞ。久しぶりだな、ひかり。とは言ってもあん時はまだひかりが幼稚園のころだから覚えてないか」
「いえ、覚えてますよ。お久しぶりです、舞子さん。」
「ああ。綺麗になったな・・・・彼氏はいるのか?」
「いません。大学にもいい男なんていませんし、それに・・・・・(チラッ」

あれ?一瞬俺のほう見たような・・・・・まさかね
・・・・ん?お袋?なんですかその笑みは

「なるほどなぁ・・・・・だが早くしないと舞人が売れていくぞ」
「え!?ちょ、ちょっとどういうことよ舞人!?」
「そ、それが・・・・色々ありまして・・・・・」
「お兄ちゃん、5人の女の子に許婚宣言されてるんです」
「・・・・・舞人?アンタいつの間に女たらしになったの?」
「・・・・・あっちが一方的に言い寄ってきてるんです」
「そう・・・・なら私も参戦するわ!!こだまにも連絡しとかないと!!」
「んな!?ひ、ひかり姐さんまで!?こだま先輩もですか!?」

ま、また増えるというのか!?
神よ、俺にどうしろって言うんですか!?
っていうか俺何かしました!?

「お兄ちゃん、錯乱してないでお風呂入ったらどうです?」
「うう・・・・、桜花、お前も冷静に事を進めないでくれ・・・・」

分かってた事だけど、俺に味方などいやしないのだな・・・・・
はあ、風呂でも入って気分転換しよっと・・・・・




―入浴後―

はあ、体はサッパリしたけど、気分は重いなやっぱ・・・・
ん?ひかり姐さん何持ってるんだろう?

「あ、ちょうどいいわ。舞人ー。ちょっと。」
「なんすか?新しい小説でも?」
「そ。はいこれ。」
「うぃ。どれどれ・・・・・」

ひかり姐さんの書いた小説は、今まさに俺の措かれている状況を書いたものだった
これを見た俺が最後まで見ていられなくて、さめざめと涙を流したのは別のお話・・・・・・・




「どう?なかなかの出来だと思うんだけど」
「・・・・・お願いですからリテイクお願いします」




END





第5話終了!!
ひかり「やっと登場ね。こだまはいつ出るの?」
まだ考え中。けど絶対だすから待ってて。
こだま「ううー。早くしてね。」
うい。頑張ります。
華蓮「ROが原因なんじゃない?」
翠「アサシン目指してシーフ育成中でしょ?」
うっ・・・・・まぁそれもあるかな・・・・さて、締めるか。せーの・・・

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