舞人がつばさと希望に言い寄られて困っている頃
一人の夢見る乙女が舞人の元へ推参する。その乙女の名は・・・・・
「せんぱい、待っててください。この雪村 小町が今あなたの元へ参ります!!」
舞人の後輩、雪村 小町嬢であった・・・・・
桜舞う・あぷろーち 第4話
だが小町には一つやらなければならない事があった
自らを思って追いかけてきた幼馴染、牧島 麦兵衛との別れである
「麦兵衛くん・・・・私を思ってくれるのは嬉しいけど・・・・ごめんなさい!!」
「・・・・わかりました。舞人先輩なら諦めがつきます。小町さん、頑張ってください!!」
そう言って駆け出す麦兵衛。その目には涙が溜まっていた
だが小町にはどうする事も出来ない
自分には舞人という思い人がいるのだから
「麦兵衛くん・・・・ありがとう・・・・」
そして小町もまた歩いていく
目指すは長年思い続けてきた先輩、桜井 舞人の家
小町はこの前の再開を思い出していた・・・
―数日前―
「ごめんね、麦兵衛くん。荷物持たせちゃって」
「いえ、ちょうど僕も買う物がありましたから。お気になさらず」
麦兵衛の持つ袋には小町が好む紅茶などが入っている
そうして二人で歩いていると、少女の物らしき悲鳴が聞こえてきた
「今のは・・・・まさかかぐらちゃん!?」
「かぐらちゃんって・・・小町さんの店のバイトの・・・・!?」
「急ごう!!麦兵衛くん!!」
「はい!!」
そして悲鳴の聞こえたほうへ走る二人 そこで見たものは
「てぇえええりゃああああ!!」
「グハアアアアッ!!な、なんだテメェ!?」
「テメエみたいな奴見るとどうにもほっとけないんでな。おい、大丈夫か?」
「は、はい!!大丈夫です!!(うにゃ〜!!かっこいいよ〜!!)」
「ナイト気取りもそこまでにしとけやニイチャン!!ぶっ殺すぞコラ!!」
「やれるもんならやってみな。ちなみに俺は武術家だからな・・・・容赦はしない、ぜ!!」
と、かぐらを助けている舞人だった
「あ、あれは舞人先輩・・・・?」
「あの人は・・・・見覚えが・・・・!!」
そう、舞人は小町の初恋の人だった
小町は昔いじめられっこだったのだが舞人と麦兵衛に助けられて明るい性格を取り戻していった
その時、決まっておぶってくれたのが舞人だった
「よかった・・・舞人先輩、流石です・・・」
少女が助かり安堵する麦兵衛
だがその横で小町は、かぐらを羨ましそうに見ていた
そして気づいてしまった。自分の舞人への思いが・・・・・
「とりあえずもう安心ですね。行きましょう、小町さん」
「え?あ、はい、行きましょうか」
その後小町は表面上には平静を装っていたものの内心では二つの思いが交錯していた
舞人への思い、麦兵衛への思い・・・・
小町は何日も思い悩んだ末に結論を出し、麦兵衛を呼び出した
「麦兵衛くん、実は私・・・・・」
―回想終了―
舞人の家に着いた小町
インターホンを鳴らすと桜花が出てきて応対する
「あれ?小町お姉ちゃんお久しぶりです♪お兄ちゃんに何か用ですか?」
「う、うん・・・せんぱいいるかな?」
「はい・・・・・といっても4人ほど客がいますが。しかも全員女の子です」
「え、ええええええ!?」
「全員お兄ちゃんの許婚って主張してますよ。なんなら小町お姉ちゃんも一緒に・・・」
「!! も、もちろんだべさ!ここまできて諦められないですから!! せんぱーい!!」
「ああ、これでまた一人お兄ちゃんの許婚が・・・早速お母さんに連絡しないと!!」
駆け出す小町と感激しつつも受話器をとる桜花
そしてリビングでは・・・・
「お!?雪村じゃないか。どうしたんだ一体?まさかお前まで許婚にって訳じゃ」
「その通りですせんぱい!不肖、雪村 小町!ここに参戦の決意を表明しにやってきました!!」
「んな!?」
((((ああ、ライバルがまた一人増えた・・・・・))))
「お、お前牧島と付き合ってるんじゃなかったのか!?」
「麦兵衛くんとはもう話をつけてきました。これからはせんぱい一筋で生きていく所存です!!」
「もう、舞人君たら制限なしなんだから。」
「舞人、逃げるのはなしだよ♪もっとも、逃がすつもりもないけど」
「小町さんがライバルですか・・・・・強敵です!!ですがこの芹沢 かぐら、全力でぶつからさせて頂きます!!」
「おねえちゃんが相手でもわたし負けないよ〜」
新たな挑戦者出現に燃え上がる4人の女
その様子を見ていた舞人は後にこう語る
「女の子の間で何か火花が散ってて、とても声を掛けれる状態じゃなかった」と・・・・・
そのころ桜花は買い物のため近所のスーパーへ行き、近くの公園で落ち込んでいる麦兵衛を発見していた
「牧島先輩?どうしたんですかそんなに落ち込んで」
「ああ、桜花ちゃん・・・・実は・・・・」
さっきの事を説明する麦兵衛(無論、舞人のことは伏せて)
「そうですか・・・・・」
「でも、これで吹っ切れたよ。小町さんはいい人だった。俺も負けちゃいられないからね。」
「はい、その意気です牧島先輩。」
「ありがとう桜花ちゃん。よし、頑張るぞ!!」
吹っ切れたという笑顔で立ち上がる麦兵衛
だが桜花は顔を真っ赤にして俯いていた そして・・・・
「あのう・・・・一つ・・・・聞いていいですか?」
「ん?なんだい桜花ちゃん?」
「わ、私じゃ牧島先輩の支えにはなれませんか・・・・?」
「・・・・え?お、桜花ちゃんそれって・・・・」
「・・・・はい。私・・・・ずっと前から牧島先輩のこと・・・・」
「で、でも・・・・・俺でいいのかい・・・?」
「・・・・牧島先輩じゃないと・・・嫌です。」
真っ赤な顔で佇む二人
永遠とも思われる沈黙の時間
それを破ったのは麦兵衛だった
「まだ・・・考えさせて欲しい。今の俺じゃ・・・小町さんと桜花ちゃんを比べてしまいそうで怖いんだ。」
「はい・・・・解りました」
「ごめん桜花ちゃん。だけど、決心がついたら・・・その時は・・・・」
「はい。待ってますから。」
「ありがとう。それじゃ・・・・・」
そう言って帰っていく麦兵衛
桜花はその背を見えなくなるまで見続けていた
「さ、そろそろ帰らないと・・・・」
そして桜花が振り向いた瞬間
「よ、よう・・・・・偶然だな桜花」
「お、お兄ちゃん!?どどどどうしてここに!?」
「いや、あの場の雰囲気に耐えられなくて・・・・」
舞人が額に汗を垂らしつつ立っていた
「お、お兄ちゃん・・・・もしかして・・・」
「・・・・・ああ、見てたよ。俺にも関係あることだしな。それに・・・・」
「・・・・・それに?」
「可愛い妹に悲しい目には逢わせたくないからな」
「・・・・ずるいです。そんな事言われちゃ怒れないじゃないですか」
「すまんすまん。じゃ、帰るか桜花」
「はい。お兄ちゃん、今日は眠れませんね」
「勘弁してくれよなまったく・・・・」
落ち込む舞人と苦笑しつつ見守る桜花
そして二人は歩き出す
退屈とは無縁の我が家へ向かって・・・・・・・
〜おまけ〜
「お、桜花ちゃんちょっといいかな」
「ま、牧島先輩!?も、もしかして・・・・・」
「うん・・・・その・・・・お、俺と付き合ってください!!」
顔を真っ赤にして告白する麦兵衛
そして桜花は目に涙をためながらも笑顔で
「はい!!麦兵衛さん!!大好きです!!」
と答えるのだった・・・・・
勿論その様子を舞人ご一行が見守っていたのは別のお話・・・・
そしてそれに気づいた桜花が怒り狂って舞人の世話をせず、5人の女の子が「誰が面倒を見るか」でもめたのはもっと別のお話・・・・
END
後書き
第4話終了〜!!
桜花「うう、恥ずかしいです・・・」
麦兵衛「俺も恥ずかしいですよ・・・でも桜花ちゃんとなら・・・」
ああっと続きは家でな。いい加減飽きたから。この感じ。
全員「「「「「じゃあ書くなよ。」」」」」
うっ・・・・・痛いところを・・・・
全員「「「「「・・・・へたれ妄想人間」」」」」
グハッ!!止め刺しにきたな・・・ならとっとと終わらせる!!せーの・・・・
「「「「「「ご意見、ご感想は掲示板かsyuu1kun@navy.livedoor.comへお願いします。では!!」」」」」」