「うーんうーん・・・・はっ!!夢か・・・・なんで俺が女の子に囲まれていたんだろう」

汗びっしょりになりながら目覚めた俺。
今日は土曜日なので学校は休みだ。
さあて桜花の作った朝飯食べに行くかな・・・・・・・





桜舞う・あぷろーち 第2話





「おはよう桜花。おっ、いい匂いだな桜花。今日は和食か」
「おはようございます、お兄ちゃん。さっ、冷めないうちに」

テーブルに並べられた美味しそうな食べ物たち。
こいつ、家事は万能だからな・・・・無論料理も完璧だ。

「いただきます・・・・・うん、また腕を上げたな桜花。」
「ふふっ。ありがとうございますお兄ちゃん」

うーん、桜花の旦那になる奴が羨ましいなぁ・・・・・・
家事炊事OKで性格も温厚、さらに顔もいいとくれば良妻賢母間違いなしだからな。
学校では密かにファンクラブも出来たっていうし(山彦談)。

「ごちそうさま。美味しかったよ桜花。」
「はい、御粗末さまです♪食器シンクの中に入れておいてくださいね」
「ああ、わかってるよ」

言われたとおりに食器を片付ける俺。
・・・・ん?表から聞き覚えのある声が・・・・・・
窓から覗いてみると昨日の美少女二人が言い争っていた(汗)。

「な、なんであの子達がここに・・・?」
「どうしたんですか?お兄ちゃん」
「いや、表に件の少女たちがいるんだよ」
「え?・・・・・本当ですね。あの人達は確か・・・・」
「・・・・なんか嫌な予感がするんだが」
「あ、思い出しました。星崎 希望さんと八重樫 つばささんですね」
「星崎・・・・八重樫・・・・!! お、思い出した!!あの桜学の二大アイドルの!!」
「はい、私はお二方とも知り合いなんです。星崎さんは瑛ちゃんに、八重樫さんは郁奈ちゃんから紹介されましたから」

ちなみに瑛ちゃんとは桜花の知り合いで本名は水無月 瑛。
郁奈ちゃんも同じく知り合いで本名は郁原 郁奈という。
しかしなんで二人がここにいるんだ?
どれどれ。何を言い争っているのか聞いてみるか・・・・・・・・

「ゾンミ。あんたは親友だけどね、こればっかりは譲れないよ」
「望む所だよ八重ちゃん。私だって譲れないんだから!!」
「「ふふふふふふ・・・・・・・」」

・・・・・え、えーと・・・・・関わらないほうが良い様な気がひしひしと(汗)。
何を譲れないのか知らないけど、ここは放っておいたほうが無難かなぁ・・・・・・って桜花さん?
何を考え込んでおられるんですか?私はあまり関わりたくないんですが?

「うーん、何だか面白そうな話をしてますね」
「いや、俺的には無視したほうが良い様な気がするんだが?」
「私的には興味津々です。ちょっと聞いてきますね」
「んな!!お、おい桜花ちょっとま・・・」

俺の言葉を無視して下に降りていく桜花。
慌ててそれを追うが時すでに遅く三人で盛り上がってしまっていた・・・・・

「なるほど、お兄ちゃんの許婚ですか・・・。」
「そ。やっぱ恋する乙女としては思い人と一緒にいたいしね」
「そしてそのまま二人は・・・きゃー!!やだ恥ずかしー!!照れりこ照れりこ」

おいおいおい!!ちょっと待てやそこのお嬢さんたち!!
いきなり許婚と言われても納得できるわけないだろ!!

「ちょ、ちょっと待ってくれ三人とも。一体どういう・・・・」
「ああ、やっとお兄ちゃんに春が来たんですね・・・・・感激です!!」
「お。おっはよー舞人♪今日もいい天気だね」
「あ。おはよう舞人君♪遊びに来たよー♪」

駄目だ、誰も俺の言う事聞いてくれちゃいねぇ・・・・
とりあえずみんなを俺の部屋に集めて話を聞く事にした。

「とりあえず、状況説明をしていただきたいんだが」
「私はさっき聞いたのでお母さんに連絡してきますね」

そういって俺の部屋を出て電話をしに行く桜花。
まあお袋もこれを聞いたら却下の一言でもくれるだろう・・・・
そして先に動いたのは星崎だった。

「じゃあまず私からだね。そもそもなんで舞人君に惚れたかだけど・・・・」

星崎の話を纏めるとこうだった。
俺を最初に見たのは自分の夢の中でその時に暴漢から助けてもらったらしい。
そして学校に来てみると俺を発見してすぐさま尾行(汗)。
中央委員会の会議で隣の席に座り、俺の

「悪い所ばかり並べてもしょうがないでしょう!!それよりも今どうしたらいいかを考えるべきです!!」

の一言に感銘を受けて俺の元に現れたということだ。

「私その時思ったんだ。舞人君は当たり前の事を当たり前に出来る人だって」
「しかしそれだけでいいのか?もっとほかにもいい男はいくらでも居ると思うんだが」
「私は舞人君にだけもてればそれで十分だよ♪外見だけで決めたわけじゃないしね」

ふむ、外見だけではない、か・・・・・・・・

「じゃあ俺の何処がいいと・・・?」
「全部♪瑛ちゃんからもいい人って聞いてるしね。だ・か・らぁ・・・・・・・」









「舞人君になら私の全てをあげてもいいよ♪」













・・・・・・・はっ!?いきなりの告白かよっていうか全てって!?
あまりの唐突な展開に一瞬頭がフリーズしてしまった・・・・・・・星崎 希望・・・・恐ろしい子!!
確かに嬉しい気はするけど・・・・展開が速すぎていまいち実感が湧かん(汗)。
とりあえず保留で次の八重樫いってみよう。

「・・・・さ、さて、それはともかく。「む〜、舞人君の意地悪」や、八重樫は?」
「ん〜。そうだねぇ・・・・やっぱり去年のあの時かなぁ」
「あの時?でもお前とはクラス違うだろ?」
「舞人って去年の秋ごろ、同じクラスの男子に恋愛の相談受けてたでしょ」
「ああ、そういやそんなこともあったなぁ」

確かに俺は恋愛の相談を受ける事が多々ある。
理由は「何故か説得力があるから」らしい。
あの時はたしか恋人と喧嘩して悩んでるって相談を受けて・・・・

「勘違いで好きになったわけじゃないだろ?なら下手な小細工せずに正面からぶつかったほうが良い」

って言ったんだっけな(ちなみにそいつらは見事仲直りしてたけど)。

「悪いとは思ったんだけどさ、私そのとき廊下に居て聞いちゃったんだよねその言葉」
「それは別にいいけど・・・・それが今の状況にどうつながるんだ?」
「私の恋愛感を木っ端微塵にしてくれたからねぇ、舞人の言葉は」

つばさは両親の離婚が原因で「恋愛は勘違いから始まる」と思い込んでいたらしい。

「それから無意識のうちに舞人ばっかり見るようになってね・・・」
「気がついたら好きで好きで仕方なくなってた、と」
「その通り。郁奈からはこう聞いてるよ。面倒見のいいお兄さんってね」

あの時の親切心が今の状況を生み出したわけか・・・・
ということは八重樫も星崎と同じく・・・・?
俺が目線で問いかけると少女は溢れんばかりの笑顔で






「ゾンミが全てをあげるって言うなら負けてらんないしね。舞人が傍にいてくれるなら私だって、だよ♪」






とのたまわってくださった・・・・・
ああ、星崎は不敵な笑顔でガン飛ばしてるしぃ・・・・・
そ、そういや桜花はどうしたんだろう?
お袋に何か言われてるのかな?

「お兄ちゃーん。お母さんが代われってー。」
「おう、今行く!!」

よし、お袋に一言ガツンと言ってもらおうじゃないかっ!
俺はそう思いながら受話器を取ると・・・・

「もしもし、お袋か?頼むから一言言ってやってくれ」
「がんばれ愚息。デート代は上乗せしてやる。決まったら私の所に連れて来い。以上」

と言われ電話を切られてしまった(泣)。
お、お袋ー!!あなた様は自分の息子のピンチを酒の肴にしようってんですか!?
隣に居る3人も嬉しそうな笑顔を見せてるしー!!
ああ、これで俺の味方はいなくなってしまった・・・・

「お兄ちゃん、ファイトです。このチャンスを物にしないと先はありませんよ?」
「そうそう。舞人は明らかにめんどくさがって作らないタイプだし」
「舞人君、恋愛というのは早めにしておくべきだよ?」
「余計なお世話じゃああああああああ!!」

ああ、誰かこの人達を止めてくれぇ・・・・・
このままでは学園内全ての男子を敵に回してしまう!!
俺はまだ、死にたくないんだ〜!! と思っていると・・・・

「舞人さ〜ん、おはようございま〜す」「おにいちゃ〜ん、おはよう〜。」

年下のお嬢さんコンビ襲来!?
マズイ、ますますややこしい展開に!!

「あ、あれ!?星崎先輩に八重樫先輩?どうしてここに?」
「おにいちゃん、みんなで遊びにいくの?」
「あ、いや、その、なんというか・・・・」
「お兄ちゃんの許婚になりに来たそうです。」
「わー!?桜花ー!!」
「い、いいいい許婚!?舞人さんのですか!?だったら私も!!」
「か、かぐらちゃんずるいよ〜。私もおにいちゃんのお嫁さんになりたいんだから〜。」
「んな!?ちょ、ちょっとかぐらちゃんに青葉ちゃん!?」
「ああ、お兄ちゃんを慕ってくれる人がこんなにも・・・・もう、嬉しすぎて涙が止まりません!!」
「お前もちょっとは止める努力をしろおおおおおお!!」

頭を抱え絶叫する俺と感激してちっとも話を聞いてない桜花、それと火花を散らす4人の美少女。
俺はこれからの未来に頭を悩ませる事が決定してしまったようだ・・・・
ああ、誰か俺に平穏な学校生活を与えたまえぇ・・・・・・・・











後書き

第2話終了〜!!
舞人「なんだこの展開は!!俺に苦しめと言わんばかりの展開だろうが!!」
ええいだまらっしゃい!!貴様には今回苦しんでもらうと決めたんだ!!文句あっか!!
舞人「大有りだこのボケー!!くらえ舞人アッパー!!」
なんの、クロスカウンター!!

華蓮「作者と舞人君が喧嘩し始めたので私たちで締めようと思います」
翠「でもいいんですか?どんどん激しくなってますけど」
希望「ほっとこうよ。私たちじゃ止められないし」
つばさ「そうそう、馬鹿はほっといてとっとと締めて遊びにいこ。じゃ、せーの」

「「「「ご意見、ご感想は掲示板かsyuu1kun@navy.livedoor.comへお願いします。では!!」」」」