遅刻寸前でクラスに滑り込んだ舞人と希望
当然、他の者たちはそれを見逃すわけもなく事の顛末を聞きだそうとしている
しかしこの状況を面白くないと思っている人も居るわけで・・・・






「ゾンミ、いつまでもアンタだけいい思いはさせないよ・・・・・」






桜舞う・あぷろーち 第14話






舞人と希望のクラスメート 八重樫 つばさ
彼女もまた舞人LOVEな女の子である
彼女は一旦距離を置いて舞人のことを観察していた
だが、痺れをきらしたのかついに自分もアプローチするべく行動を開始しようとしていた

「んふふふふ・・・・待ってなよ舞人・・・・・」

薄ら笑いをして目を光らせ、舞人を見つめるつばさ
舞人はちっともそれに気づいていない
だが、希望は何かを察知した様子

(八重ちゃん何か企んでるね・・・・・・だけど舞人君は渡さないよ〜)

そして両者の目線が合うと途端に火花が散る
この様子を見ていた山彦はこう語る

「星崎さんと八重樫さんの後ろに竜虎が見えたよ」と・・・・・・






―放課後―

授業が終わり帰宅しようとする希望と舞人
そこへ・・・・・

「舞人、ゾンミ。今日は私の家で遊ぼうぜー!!」

と、つばさが誘いをかける
するとすかさず希望が

「八重ちゃん、ごめんね。青葉ちゃんいるから・・・・」

と、切り返す 
これには流石のつばさも「そっかぁ・・・・」としか言えない
だが、鈍感大王の舞人は

「ならうちに来るか?ゲームでも持ってこれば皆で遊べるだろ」

と言ってしまうから始末に終えない
現に希望は頭を抱え、つばさは「オッケー!!」と満面の笑みを浮かべている
周りの反応は嫉妬半分と呆れ半分といったところだ
そして・・・・・

「よっし、んじゃゲーム色々持ってくるからまた後でねー!!」

と言って教室を飛び出していくつばさ
希望は舞人の鈍感さに凹みつつも一緒に帰るべく帰宅の準備を終えていた

「それじゃあ帰るか星崎」
「うん・・・・・」

いつもどおりの舞人と少々凹み気味の希望
だが、帰り道の途中で希望が突如アプローチを開始した

「舞人君・・・・・手・・・繋いでいいかな・・・・?」

顔を真っ赤にしながら上目遣いで尋ねる希望
舞人はそのあまりのキュートさに思わず同意しかける
しかしそこへ現れた乱入者がその雰囲気をぶち壊しにした

「星崎先輩!!せんぱいを独り占めしようなんてことはこの雪村が許しませーん!!」
「おにいちゃん、先に帰るなんてひどいよぉ」

怒りと嫉妬で顔を真っ赤にした小町と涙目の青葉の登場である

「小町ちゃんと青葉ちゃん!?もう〜、せっかくいいところだったのにぃ〜・・・・」
「あ、悪い・・・・すっかり忘れてた・・・・」

そして合流した4人は舞人の家に戻ることにした
その先に待つ激しいバトルの予感を秘めつつ・・・・・・





―桜井家―

「あ、お兄ちゃんお帰りなさい♪」

帰宅した舞人たちを出迎えた桜花
その表情はいつもの3割り増しの笑顔である
舞人は長年の付き合いからか何があったのかを一目で看破していた

「桜花、牧島に幸せにしてもらえよ・・・・・ああ、桜花のほうが結婚式は先かぁ」

桜花に対して容赦のない爆弾を放り投げる舞人
効果は申し分ないほどの威力だったらしく桜花は真っ赤になりながら固まってしまった

((((桜花ちゃんが負けたとこはじめて見た・・・・・))))

程なくして到着したつばさが持ってきたゲームで遊ぶことになった舞人たち
だが、ここでつばさがとんでもない提案をした

「このゲームで1位になった人が最下位の人に何でも言うこと聞いてもらえるってのはどうよ?」
「おいおい・・・・・」

この提案に少々の不安を感じ反対しようとする舞人
だが・・・・・

「「「「「さんせ〜い!!」」」」」

多数決により舞人の言い分はあえなく却下されるのであった
その後、いじけた彼を必死に慰める女の子たちがいたのは別のお話・・・・・・・






―数時間後―

「こ、こんなはずじゃ・・・・図ったように最下位かよ」
「うぅ、わたしもがんばったのにぃ」
「この雪村もまだまだ甘いということでしょうか」
「凄い接戦ですね」

上から舞人、青葉、雪村、桜花のコメントである
そして最後に残った勝利者は・・・・・

「よぉぉぉっし!!勝ったー!!」
「あぁー!!負けちゃったよー!!」

この叫び声からわかるように、つばさであった(笑)
ちなみに順位は
1位 つばさ
2位 希望
3位 桜花
4位 青葉
5位 小町
最下位 舞人 の順である

「ふふーん、んじゃ舞人♪さっそく言うこと聞いてもらおっかな」
「し、仕方あるまい・・・・」

もの凄く嬉しそうなつばさと観念した様子の舞人
他の面々は部屋の外に出されたため聞き耳を立てることしかできない(しかもドアに鍵がかかっている)
すると・・・・・・

「んあ!?ちょ、ちょっと待ってくれ!!俺にはそんな趣味は・・・」
「問答無用♪ルールはルールだよ♪」
「鬼ー!!」

嬉しそうなつばさの声と舞人の悲鳴が聞こえてくるのであった
それから数十分後、非常にご機嫌なつばさと凹みに凹んだ舞人が部屋から出てきた
その後皆で夕食を食べ、親が迎えに来た小町とつばさが帰っていった
その夜、舞人はこう呟いたという

「八重樫 つばさ・・・・・・侮りがたし・・・・・・」と・・・・・・





END




後書き

第14話終了!!
華蓮「あらら、舞人君ご愁傷様」
翠「よっぽど酷い目にあったみたいですねぇ」
舞人「うぅぅ・・・・・」
まぁ舞人だし・・・・・・さて、締めるか。せーの・・・・

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