家の都合により希望が急遽舞人の家に泊まることになったその夜
ここ星崎温泉にて女の戦いが今まさに始まろうとしていた
舞人曰く

「背景に炎が見えたんだよ。いやマジで」

この者たちの普段の姿しか知らない者たちはそんな馬鹿なと言うだろう
しかし舞人は本気で見ていた
目の前にいる美女たちが放つ凄まじい闘気を・・・・・・




桜舞う・あぷろーち 第10話




―数時間前―

「おお、ひかり姐さん張り切りましたね」
「ふふん、まぁ冷めない内に食べちゃいなさい」
「「「はーい。」」」

テーブルの上に置かれた夕飯を食べるべく集った4人
今日はひかりの当番で平凡な和食と相成った
ちなみにメニューはご飯と白味噌の味噌汁、野菜炒めに秋刀魚の塩焼きである
そして皆の感想はというと・・・・

「うん、美味いっすひかり姐さん」
「美味しいですひかり姉さん」
「本当、美味しい♪」
「うふふ、ありがと皆」

全員一致で美味の一言だった
ひかりも笑顔で食べている
だが、このまま平穏に舞人が食事を終えれるわけもなく・・・・

「はい、舞人君♪あーん♪」
「うぃ!?い、いきなりっすか星崎さん!?」

希望が先制攻撃を仕掛ける
それを見たひかりも

「舞人〜♪これも食べてみて。ほら、あーん♪」
「ひ、ひかり姐さんまで・・・・」

と、希望に負けてなるものかと自分も仕掛ける
舞人は食べさせてもらいながらも桜花にアイコンタクトを送るが・・・・

(桜香、お兄ちゃんのピンチだ!!至急、救援を求む!!)
(頑張ってくださいね、お兄ちゃん♪)
(う、裏切り者ー!!)

どうやら救援は望めない模様(笑
妹は楽しそうに兄を見守る事にしたようだ
そして舞人は全て食べ終えるまで二人の攻撃にさらされる事になったのは言うまでもない・・・・・





夕食を食べ終え、結城温泉とは別の銭湯(星崎温泉)へ向かう4人
ちなみに結城温泉ではひかり父がひかり母にお灸を据えられている(笑
お迎えのバスを降り、談笑しながら歩いていく
だが、ここは一つ問題があったのだ・・・・・




なんと、ここは希望の母親が経営する予約制の混浴風呂あり(ここ重要)の銭湯だったのである




ここは舞人たちは数度来た事があるのだが今まで混浴などはなかった
希望曰く、

「なんでも隣にあったスーパーが潰れてスペースが開いたから増築したんだって」

らしい・・・・
げに恐ろしきは母親の行動力と言えよう
だが、そこへ現れたのが・・・・

「せんぱ〜い、こっちですよ〜」
「ままままま舞人さん!今日はこの芹沢かぐら、当たって砕けろの心積もりで参りました!」
「おにいちゃ〜ん♪こんばんは〜」
「ひかり〜。やっほ〜♪」

なんと小町、かぐら、青葉、こだまだった
4人とも「何故ここに?」という顔をしている
そして桜香が何故ここにいるかと尋ねたら

「「「「舞子さんがここに行けって・・・・・」」」」

と、全員が納得するような発言がなされた
舞人は直ちに舞子に連絡を取る

「もしもし、お袋か?言いたい事は解ってるだろう?」
「ま、頑張れ愚息。こんなチャンス滅多にあるまい」
「ふ、ふざけ「じゃあな プツッ」き、切りやがった・・」

舞人は途方もない疲労感に襲われ跪いている
一方女性陣はというと・・・

「舞人君の背中は私が洗う!!」
「や、ゾンミばかりにいい思いはさせないよ」
「せんぱいの背中・・・・あぁ、待ちに待ったシチュエーションが今!!」
「ひかり〜。ここは私が舞人君の面倒を見るってことで」
「却下。舞人は私が面倒を見るわ」
「おにいちゃんの背中かぁ・・・・きっとたくましいんだろうね、かぐらちゃん」
「そうだね・・・・・うぅ、なんだか緊張してきました〜」
(混浴・・・・・麦兵衛さんと一緒・・・・うわぁ〜)

各々の思惑を胸に火花を散らしていた(笑
ちなみに桜花は麦兵衛との混浴を想像して赤面している
ようやく復活を果たした舞人は、とりあえず皆を中に押し込む事にした

「と、とりあえず入ろうぜ皆。ここは結構冷えるし」
「「「「「「「はーい」」」」」」」

そして入っていく一組の兄妹と7人の女侍(笑
その様子を何故か見ていた福井 トメさん(70)は後にこう語った

「舞人君はとうとう7人も彼女作ったんだねぇ、こりゃ楽しみじゃ」と・・・・・





―そして大浴場―

「ふぃ〜、気持ちいいな。桜香、湯当たりするなよ」
「はい、お兄ちゃん・・・・・って何故タオルで目隠しを?」
「流石に平常心は保てないからな・・・・周り美人だらけだし」

舞人の言う通りにバスタオル一枚で思い思いのひと時を過ごす美女たち
舞人は目隠しをしているがいかんせん顔が赤いのは仕方のないことだろう
だが彼女たちは現状に満足しているわけではない
なにせ舞人になら何されてもOK!!と思っている者達なのだ
このまま普通に風呂入って帰るなどという勿体無い事は選択肢にない よって・・・・

「ほかに誰もいないし、バスタオルとっちゃお〜っと。えい♪」
「んな!?お、おい星崎、今聞き捨てならぬ発言したろ!?」
「「「「「なら私も〜♪」」」」」
「えええええ!?」
「お兄ちゃん、ここはチャンスです。ほら、目隠しなんてポイです!!」
「げ!?桜香ちょっとまグハァァァァ!?」

目隠しをとられた舞人が最初に見たのは、希望のそれはそれは綺麗な裸体であった
他の面々も負けじと裸体を見せ付ける(もっとも多少は恥ずかしいらしく全員頬を紅くしているが)
しかし彼女たちは気付いていない
女性にあまり免疫のない舞人がこのような状況に出くわせば・・・・・

「お、桜香・・・お兄ちゃんはもう駄目だ・・・後は頼んだぞ・・・・ガクリ」
「きゃあああ〜!?お兄ちゃんしっかりして下さ〜い!!」

となるわけである(笑
顔どころか全身真っ赤にして倒れる舞人
彼が最後に見たものは希望たちが舞人のモノをみて真っ赤になっている顔だった・・・





その後舞人は駆けつけた女性従業員によって介抱されたが

「たくましいですね(ポッ」

と言われ、この温泉にはもう2度とこれないと思ったという・・・・
哀れな彼に合掌・・・・・・





END




後書き

第10話終了・・・
華蓮「・・・長かったわねぇ・・・」
翠「・・・ええ本当に・・・・」
一ヶ月も間空けちまった・・・・これからは心機一転頑張ります!!では・・・

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