ブリュッセル郊外
ブリュッセル郊外のやや開けた所に山彦、つばさ、ひかり、こだまの4人の姿が会った。
つばさ「じゃ、今度こそだね相棒」
スイッチを押し込むと4機のガンダムは光に包まれて、爆砕した。
自爆装置を作動させたのである。
山彦「やれやれ、やっと全部片付いたな」
ひかり「あとは気楽にのんびり過ごすとしましょうか」
こだま「そそっ、平和な世の中で好きなことをして生きる」
つばさ「それに何より…私達には帰るところがある、でしょ?」
山彦「そうだな」
4人の少年少女達は笑顔で互いに手を振り合いながら、
それぞれの「帰るところ」へ帰っていった。
欧州某所 喫茶店
とある開店前の喫茶店の店内に一組の男女が居た。
開店準備を整えるマスターの元に、
ワインレッドのメイド服のような服装をしたウェイトレスが寄ってきた。
翠「よろしいんですか?戦犯者はまだ全員摘発されていませんが…」
豊「いいんだ、戦争終わったらこうやって喫茶店をやるつもりだったし…なぁ、翠ちゃんこんな俺に…」
翠「何度も同じ事言わせないでください、豊さん」
隣に立つ豊に、寄りかかるように翠は身を寄せる。
極東 桜坂市
ブリュッセルでの戦いの後、損傷の少なかった舞人のアルトロンガンダムは桜坂市にまで来ていた。
そして、そのガンダムも桜の丘で光に包まれて自爆した。
舞人「安らかに眠れ…ナタク」
燃えている愛機を眺めながら、舞人の唇が動く。
♪♪♪〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜
その唇から奏でられるのは懐かしき思い出の旋律。
かつて、この丘に居た少年と、その彼と「ともだち」になった少女の
思い出の曲。
希望「懐かしい曲だね〜」
背後からかけられた言葉に口笛をやめる舞人。
そして、相手を確認することなくつぶやいた。
舞人「昔、ここで遊んだ子との思い出の歌なんだ…
やっと歌を覚えて、口笛が吹けるようになって、
そのに聞かせてあげようと思ったら、その子は来なくなっちまったんだけどな」
希望「へぇ、酷いねーその子」
まったく悪気の無い声が返ってくる。
舞人は苦笑をすると、桜の幹に預けていた身体を起こし、振り返る事にした。
舞人「まぁ、帰ってきてくれたみたいだから良いんだけどな」
振り返るとそこには桜香を伴った希望が柔らかい笑みを浮かべていた。
希望「舞人君、これからどうするの?」
舞人「そうだな、このクールでニヒルなハードボイルドな俺だ。
こんな俺にMSパイロット以外に似合う職業はボディーガードぐらいだな」
希望「あははは、ありえない。あ、でもそれなら良い組織知ってるんだけど入らない?」
舞人はしばらく希望の笑顔を見つめた後、つぶやくように言った。
舞人「ロイヤルガードか…いいだろう」
A.C.197年1月少年達の戦いの日々は終わりを告げた。
戦いを終えた5人少年たちは、舞散っていく桜の花弁のように、それぞれの道を歩みだしていた。
山彦はつばさや郁奈と一緒にジャンク屋を始めた。
ジャンク品の販売以外にもエージェントとして仕込まれた知識を活かして、メカの修理等も請け負っている。
ひかりとこだまは戦争中から身を寄せていた劇団で佐竹、宇都宮らと演劇で各コロニーや都市を巡業していた。
彼女らの演ずるピーターパンは好評で、どの都市でも満員御礼だという。
舞人は外務次官として多忙な希望の側近兼、身辺警護係としてつねに行動を共にしている。
またプライベートでは、身寄りの無い桜香を引き取り、3人で暮らし始めた。
そしてその後の歴史にガンダムを始めとするMSと言う名の兵器が再び名を表すことは無かった。
That's All
Thank You for Your Reading
あとがき
えー、初めての方ははじめまして、そうでない方はごきげんよう。
JammingMixの速水舞斗でございます。
今回はクリスマスネタということでしたので、
OVA「新機動戦記ガンダムW-EndlessWaltz-」をベースに、
「それ散る」や「TwoOne」のキャラに出演させてみました。
この構成は元々当方のHPで連載中の秀一さんとのコラボレーションSSの
BlessSSと同時期に原案を作り、今回の太陽さんの企画を機に完成させたものです。
(BlessSSがシリアルナンバー#33、この作品が#34)
ほとんどノリだけで書いた内容ですので、
突っ込んでいくとボロが出てくる内容ですが、そこはほら…ね。
こんな無駄に長くて拙い内容ですが、
感想をメールやコーポ・エヴァ、JammingMixのBBS等でいただけたら幸いです。
それでは次の作品でお会いしましょう。
速水舞斗
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